名代☆日々是メキシコ
メキシコ狂によるラテンアメリカネタのブログ+チャリ道。
Mi vida dentro 心をえぐられるような映画
miVidaDentro.jpg

先日観た映画『Mi vida dentro』があまりにも衝撃的で、
しかも優れた作品だったので、ここで紹介したいと思います。
というのも、この映画、もうすぐメキシコでは公開終了になってしまうからです。
DVDも販売されるでしょうが、是非、銀幕で観てほしい作品です。
メキシコシティの南、サン・アンヘルにある
プラザ・ロレトという(いけ好かない)ショッピングセンターの
なかにあるミニシアター、シネマニアにて2月12日まで上映中です。
(ちなみにシネマニアを運営しているのが映画制作会社なんで、
ミニシアターの雰囲気は文化的ですごくいいです)

ちなみに地図はこちら

↓映画の内容をざっと説明します。
1999年、当時17歳だったメキシコ人女性ロサは、
アメリカ合衆国テキサスのオースティンに不法入国します。
祖国に残した母や兄弟を支援し、家を買って、幸せに暮らすのを目標に、
子守りとして地道に働いていました。
結婚して子供をもうけ、何もかも順調に行っていましたが、
2003年、ロサの働き先の家庭の乳児が亡くなり、彼女は殺人罪を問われ、
刑務所に収容されました。
事故死だと主張するロサの訴えは結局受け入れられることなく、
このままでは、その生涯を刑務所のなかで過ごすことになるかもしれないのです。
塀のなかの彼女に許されているのは、唯一、家族へ手紙を書くことと、空想することだけ。

緊迫した裁判シーンは、彼女のような不法移民への差別を痛烈に感じるもので、
みていて本当につらかったです。

とにかく、ドキュメンタリーとして、本当に優れているのですが、
私が最もすごいと思ったのは、時おり挿入されるロサの手紙の書き文字と、
ロサの目線で撮影された刑務所の窓から見える
木々、木漏れ日、有刺鉄線、青空などの詩的なオーバーラップ映像。
塀のなかに閉じ込められ、そこから見える限られた風景から、
イマジネーションで逆境を乗り越えようとしているロサの心の内が
伝わってくるようでした。
非常に非常に重いテーマを扱いながらも、
ロサや、その母親を本当に魅力的にとらえている。
私には、彼女たちが語った言葉ひとつひとつが心に響いています。
その言葉を私はきっと忘れることはありません。

そして映画のラストにソン・ハローチョの曲が流れて、
これは、聞き覚えがある!と思ったのですが、なんと
ソン・デ・マデーラのラモンと、その奥さんのラウラ
による曲でした。
ラウラの声は、本当に独特で、力強く、優しく
あたたかく、切ない。母のような子供のような声は、
この映画のラストを飾るのにふさわしいものでした。
・・・が、しかし、そう書きながら思ったのは、
この話にはラストはないということ。
ここで起こっていることは、映画のために用意されたものではなく、
残酷な現実なのです。
囚われているロサの現状からも、
この映画をもっと、もっと多くのひとが観ることこそが重要なのだと思います。
反響をよぶことが重要だと思います。
日本でも、この作品が公開されたらいいのですが。

ちなみに日本の雑誌に、この映画についての記事を書いたので、
また発売のときにお知らせします。
【2009/02/10 18:05】 CINE 映画 | トラックバック(-) | コメント(2) |
<<良質のドキュメンタリー映画祭 Cine Ambulante 2009 | ホーム | 本日発売!スタジオボイス2009年3月号はラテンアメリカ特集!>>
コメント
おおお、Mi Vida Dentroが公開されたのですね。
この作品は、2007年のグアダラハラ映画祭で観て、
不覚にも監督のルシア・ガッハ(とってもキュートで華奢な女の子って感じ)の肩を借りて泣いちまいました。
実は、2006年のメキシコ・ドキュメンタリー映画際で、ルシアが撮った「僕は・・」を上映した縁で、グァダラハラで会ったのです。
http://www.action-inc.co.jp/mexico/film_e.html
50分の作品ですが、サイトの表紙の女の子はルシアの妹です。この作品にも泣かされました。悲しいとかではなくて、もっと力強い何かによって。
Mi Vida Dentroも、あの裁判のシーンでのやりきれなさや、資金不足によって調査できない怒りやらが、最後に
集約されて、しばらく席を立てずにいました。
ルシアの顔を見た途端、号泣してしまったのは何なんだ、と今でも分かりません。
Mi Vida Dentro は、日本でもやりたい、と思ったのですが、ドキュメンタリーをどう出すか、というところでつまづいておりました。でも、まだあきらめてはおりません!メキシコ特集考えるときには、絶対入れたい1本です。

【2009/02/11 22:54】 URL | vagabunda #.6rV7KDE[ 編集]
Vagabundaさま

コメントありがとう!
実は、これ観る前に、なんか比嘉さんがこの作品について言っていたかもしれないと思っていたんだよな。
で、普段だったら後でDVDでいいか、と思うようなところを、無理矢理見に行ったら大当たり。なにが、私を駆り立てたのかしらないんだけど、いま映画館でみなければだめだという気がしたんだよね。
いや、本当にいい映画ですよね。悲壮感漂っているだけの作品にしなかったところがすごい良い。ぜひ、ぜひチャンスがあったら日本で公開してほしい!
・・・しかし『僕は・・・』ドキュメンタリー映画祭で見逃してました!!
こちらも機会があったら是非観たいです。探します。

【2009/02/12 14:16】 URL | ナガヤーマン #-[ 編集]
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