名代☆日々是メキシコ(旧)
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孤独が似合う男、ネルソン・フレイレ
freirechopans.jpg



昨日、初めてクラシックのコンサートに行った。
銀座の王子ホールで行われた、ブラジルはミナス出身の
ピアニスト、ネルソン・フレイレのコンサートだ。
マルタ・アルゲリッチと並ぶ南米を代表するピアニストで、
還暦を迎えているというから、先頃来日した
カエターノ・ヴェローゾとも同世代ということになるか。
とても小柄で、ヨーロッパ系の顔立ち。
ホビット族とかスターウォーズに出てくる着ぐるみ系キャラにも近い。
始終ニコニコしているが、素直に笑っているとは思えない。
ブラジルの音楽関係者から、非常に変わり者だという話も
聞いたが、それが彼の魅力のような気もする。
なぜ、私がこのピアニストに興味をもったのかというと、
freiredvds.jpg


↑この彼のドキュメンタリー映画を観たからだ。
それはヴァウテル・サレスの弟ジョアン・モレイラ・サレスが
監督し、3年間に渡りフレイレを追った、渾身の作品となっている。

まず、映画はコンサートが終わり、拍手喝采のなか、
ステージから舞台袖に戻ってくるフレイレの姿から始まる。
緞帳の影に隠れるなり、「煙草が吸いたい」と言うフレイレ。
しかし、アンコールの演奏を観客達が待っている。
それに応えるためにステージに戻るのだが、すぐにお辞儀をして戻ってきてしまう。
ステージの袖では
「早く煙草が吸いたいからアンコールなんてやりたくない」
と子供のように駄々をこねる。
「観客は君を待っているんだ。応えなきゃだめだ」と
マネジャーの様な人にたしなめられて渋々舞台に出て行く。
もちろん虫も殺さないような顔でニコニコし、お辞儀をして、
すぐに戻ってきてしまう。
そして、また「煙草が吸いたい」と呟く。
普通なら、こういったシーンはカットしてしまうだろう。
でも、このシーンを挿入したことで、私はフレイレに
ぐっと引込まれた。美しい演奏をする彼の人間的な面に
とても興味を持ったのだ。

シックなインテリアの家に独りで住み、大きな犬を飼っている。
その部屋に家族や恋人の影はなく、生涯独身を貫きそうな感じ。

40年以上もつきあいのある盟友マルタ・アルゲリッチとの連弾シーンで、
彼女がフレイレとの想い出を語る。
彼女以外には親しい友人は居ないらしい。
気丈で快活な彼女とは対照的に、フレイレは照れくさそうに話を聞いている。

テレビでエロル・ガーナーがピアノを弾くシーンを観て、
楽しそうに弾けるジャズピアニストが羨ましいと語るフレイレ。


そこには、世界的に評価されているピアニストの果てしない孤独が描かれている。

ここまで突っ込んだ絵をとるのは大変だったようで、
最初は彼の半径6m以上離れて撮るようにと
言われていたらしいが、どうにか信頼を得て、
最終的には近くで撮ることを許してもらえたそうだ。

(このフレイレの映画DVDの話は中南米音楽
が発行しているフリーペーパーMPBの91号に掲載されている)

さて、肝心のコンサートですが、前半はちょっとタルくて、
私が嫌いな「トルコ行進曲」とか演奏していた。
しかも、あっという間に終わったので、うわ~、もしかしたらつまんないかも・・・
と思ってたのだが、休憩後の後半の演奏はぐっと良くなった。
アンコールで、すごくブラジルっぽい旋律の曲を演奏していたので、
これはきっとヴィラロボスの曲なんだろうな~と思ってて、
後でコンサートへ行った人のブログを発見して
確認したら、やっぱりそうだった。
その人は、ヴィラロボスの曲の時に涙がこぼれたと
書いていたのだが、実は私も泣いた(え、ドン引きですか?)。
なんか、すごくセンチメンタルなのに温かい気持ちになる。
その一曲は、今日足を運んだ甲斐があったと思わせる素晴らしい演奏だった。

あと、クラシックのコンサートのお客の反応に驚いた。
とにかく、拍手の仕方がすごい。
フレイレがピアノの前に座るか座らないかくらいの
タイミングでピタッと拍手が止む。
まるで訓練された一本締めみたいな・・・・。
さらに、スタンディングオベーションというものをやらない。
コンサートが終わった瞬間に、余韻を楽しむ間もなく、
観客達が一斉にドドドドドドと民族大移動ばりに
出口へ向かって突進していくので「な、何事?!」と思ったら、
サイン会が入り口のところで行われるようで、
それにいち早く並びたかったみたい。
私も中南米音楽の社長から、ぜひ本人にプレゼントしてくれと
たのまれた前述のMPB91号を渡したかったので、サインをもらうことにした。

実際に間近で見たフレイレは、やっぱり小さくて、
満面の笑みだけど、神経質そうな雰囲気があった。
ポルトガル語混じりスペイン語でほんの少しだけ会話してみたが、
どうやら通じたみたいだ。そのフリーペーパーも渡せたし、
任務を果たしてホッとした。
ニコニコしてたけど、やっぱり
「サイン会なんて早く終わらせて煙草が吸いたい」
って思ってたのかな?
でも、そうであっても許せるな。

freireprofiles.jpg

【2005/07/06 23:20】 MUSICA 音楽  | トラックバック(0) | コメント(2) |
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コメント
トラックバック拝見しました。フレイレの意外な一面に驚きました(全然知らなかったので)。映画(DVD)、もし日本で見ることができるのでしたら教えてください。


【2005/07/11 23:29】 URL | 加藤浩子 #-[ 編集]
加藤様、コメントありがとうございます。
件のDVDですが、ブラジル盤で、英語、スペイン語字幕付きという代物です(日本語は残念ながらないのですぅ)。中南米音楽 http://homepage.mac.com/musicai/でネット通販もやっていますよ。在庫もあるようですので、ぜひお問い合わせください。

【2005/07/12 21:27】 URL | nagayamyamexico #-[ 編集]
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